M.PEOPLE2026.06.16

自走できる組織を創り出す。グループインで進化した「面」の包括支援

EAP(従業員支援プログラム)とは、「従業員と職場の生産性向上」を目的とした組織支援サービスです。仕事やプライベートの悩み、メンタルヘルス不調を抱える従業員を専門家が支援し、心身の健康とパフォーマンスを維持・向上させる役割を担っています。今回は、2025年7月にエムステージグループに参画したフジEAPセンターで営業兼コンサルタントとして活躍する中山さんに、この仕事に懸ける思いと、エムステージグループへの参画によって生まれた新たな可能性について話を伺いました。

株式会社フジEAPセンター 営業兼コンサルタント 中山さん
大学にて都市環境を専攻後、エネルギー会社で営業職を経て、2018年に株式会社フジEAPセンターへ入社。「人を大切にする企業を応援する」という理念のもと、現在は営業兼コンサルタント、研修講師として従事。お客様に寄り添う根本的な伴走型支援で、多くの組織の生産性向上とウェルビーイングの実現をサポートしている。

◼︎人を大切にする組織へ。「生産性向上」を叶えるEAPの真の役割

私は大学時代、都市環境と情報システムを学んでいました。静岡の山の方で育ったこともあり、緑地が減っていく問題や、都市環境の中でいかに緑地を確保するかといった「環境の構造」に興味があったんです。新卒では環境に携わる一環としてプロパンガスなどを扱うエネルギー会社に営業として入社しました。そこはいわゆる体育会系の気質で、個人の成果がすべてのタスクやノルマに直結する、精神的にも体力的にもタフな職場でした。

はい。職場には人間性が素晴らしく、接客が上手な同僚がたくさんいました。しかし、そうした活躍している社員ほど、次々と辞めていってしまったんです。

その光景を見たときに、強い疑問と悔しさが湧きました。「組織の好循環の基軸となっているはずの人たちが、なぜこれほど容易に離脱しなければならないのだろう」「続けられる環境や、支える仕組みさえあればいいのに」と。しかし当時の会社は「去る者は追わず」というスタンスでした。だからこそ私は、「人を大切にする組織でなければ、企業の本質的な成長はない」と強く実感したんです。

その後、転勤や第一子の誕生を機に、「地元である静岡に貢献したい」という思いを胸に転職活動をしていたときに出会ったのが、フジEAPセンターでした。掲げられていた「人を大切にする企業を応援する」というキャッチコピーを見た瞬間、これまでの私の思いと重なり、迷わずこの世界へ飛び込みました。

おっしゃる通り、国内では「不調になった人が駆け込む場所」という事後対応のイメージが強いですよね。しかし、EAPの発祥であるアメリカでは、元々「職場の生産性向上」を目的に始まったサービスです。

フジEAPセンターでは、「Broad Brush(幅広いアプローチ)」をキーワードに、メンタル不調だけでなく、キャリアやチームワーク向上、さらには子育てや配偶者に関するプライベートの悩みまで、あらゆる相談を「よろず相談」のように受け止めています。

人は、仕事に関係のないプライベートの悩みであっても、頭の片隅に抱えているだけで仕事への集中力が落ち、パフォーマンスが低下します。どんな小さな問題でも早期に解決して心をスッキリさせることが、個人の、そして組織全体の生産性向上に直結すると考えています


◼︎めざすのは組織の「体質改善」。心の寄り添いからグループで挑む「面」の支援へ

――中山さんご自身は、現在はどのような業務を担当されているのですか

現在は営業兼コンサルタント、そして研修講師をメインに担当しています。営業活動としては、新規顧客の開拓や既存のお客様へのご提案を通じて、企業から寄せられる多種多様なお困りごとに対して適切なソリューションを提供しています。

その中で、コンサルタントとして休復職や職場環境の改善といった組織・人に関する様々なご相談をいただくのですが、アドバイスを行う際は、次の「4つの視点」のバランスを意識して構造的にアプローチすることを大切にしています。

・疾病性: 病気が関係しているか
・事例性: 職場で具体的にどのような問題が起きているか
・相談者のご意向: 人事労務や管理職が、対象者にどうなってほしいか
・法的なリスク: 企業の「安全配慮義務」に基づいた適切な判断ができているか

これらを総合的に分析することで、人事の方が「今、どこに問題が詰まっていて、どう動くべきか」という具体的な次の一手を明確に示せるようにしています。

人事担当者や従業員の方の気持ちをまずは100%受容し、対話を通じて根っこにある本当の原因がどこにあるのかを探ることを徹底しています。例えば、表面上はハラスメント問題に見えても、掘り下げて詳しくお話を伺うと、実は上司と部下の小さなコミュニケーションギャップが原因だったりします。お客様に寄り添うことが非常に大切であり、点だけで関わるのではなく、一緒になって立体的に組織を見ていかなければ、本当の状況は理解できません。

私たちが答えを一方的に押し付けるのではなく、「自社で問題を解決できる体制を、一緒に作っていく」という姿勢を大切にしています。

実は、多くの企業が「自分たちではこの問題を解決できない」と思い込んでしまっています。しかし、その組織のことを一番よく知っていて、変える力を持っているのは、他ならぬお客様自身なんですよね。私たちは外部の第三者という利害関係のない立場を活かし、複雑に絡み合ってしまった糸を解くだけ。

お薬を出してその場の症状を抑えて終わりではなく、食習慣から見直して体質改善していくような根本的な「伴走型支援」を通じて、最終的には私たちがいなくても、お客様自身で健全な組織運営ができるようになる状態をめざしています

これまで私たちの支援は、心理的なアプローチを中心とした「点」の支援になりがちでした。静岡に根差した企業として信頼をいただいている分、お客様から多種多様なご要望をいただくのですが、自社のリソースだけでは対応しきれず、もどかしい思いをすることもありました。 しかし、エムステージグループの一員となったことで、これまでの点から、包括的な「面」の支援へと大きく広がりました

一番の強みは、「心理支援」と「リワーク」が融合した、ワンストップ体制を提供できるようになった点です。例えば、お客様が従業員の休復職対応で困っているケースでは、これまでカウンセリングによる心のケア(点)が中心でした。しかし、職場復帰を成功させるには、復職に向けて生活リズムを整え、身体を動かすリハビリ、いわゆる「リワーク」が不可欠です。そこで現在、グループのリワーク支援サービスである『リウェルリワークセンター』とシームレスな連携を行っています。

このワンストップ体制はお客様からの反響が非常に大きく、すでに多くの方が『リウェル静岡センター』の見学に訪れ、「これなら安心して任せられる、どんどん紹介していくよ」と言ってくださっています。心の健康だけでなく身体の健康、制度的な側面、そして最終的には「人と人とのつながり」を活性化させる社会的な健康まで一括でお任せいただける。企業の課題に対してリーチできる幅が劇的に広がったことで、お客様にとって唯一無二の伴走パートナーになれていると感じます。

私自身、子育て世代としてワークライフバランスに課題を感じることもあります。だからこそ、同じように悩む従業員の皆さんが「この会社で働けてよかった」と思える環境を、EAPを通して作っていきたいです。それが私たちの掲げる「人を大切にする企業を応援する」の本質であり、その先にあるウェルビーイングの実現につながると信じています。