那覇市立小中学校の産業医業務を受託

事業場向け産業保健支援、医療人材総合サービスを提供する株式会社エムステージ(東京都品川区、代表取締役:杉田雄二)は、「令和5年度那覇市立小中学校産業医配置業務委託」に係る一般競争入札において、受託業者に選定されました。これにより、2023年8月1日(火)より沖縄県那覇市の小中学校17校に『産業医業務サービス』を提供し、職員の安全と健康の増進に取り組んでまいります。

昨今、教師不足の深刻化が進んでおり、その背景として、長時間労働など「働き方改革」とは程遠い労働環境があげられることは少なくありません。文部科学省の調査によると、2021年度の「教育職員の精神疾患による病気休業者数」は5,897人となり、過去最多となっています(※1)
このような中、教育の現場において、職場の安全と健康を守る医師である産業医に注目が集まっています。教職員が50人以上の学校においては、産業医の選任が法律で定められています。教職員の健康管理等を行う産業医は、医師であることに加え、厚生労働省令で定める要件を備えた者でなければなりません。
そしてこの度、産業医の選任が急務であった沖縄県那覇市の小中学校17校において、エムステージが産業医配置業務の受託事業者に選定されました。沖縄県は「産業医の選任率」が全国で最も低く(※2)、「精神疾患を理由にした教職員の病気休職率」はここ10年連続で全国ワーストになっています。エムステージは、そのような沖縄県内で最も公立学校の多い那覇市の小中学校に、課題に合わせた産業医の紹介はもちろん、専任スタッフやクラウドシステムを活用したサポート体制を提供し、法令順守にとどまらない本質的な産業保健活動の実現を支援いたします。
登録医師数39,000名以上となり、全国47都道府県で4,600事業場への支援実績をもつエムステージは、『すべての「働く」と「組織」を健康にいきいきと』をビジョンに、今後も、企業や教育機関における、意義ある産業保健活動・健康経営の実現と促進を目指してまいります。

※1:文部科学省「令和3年度公立学校教職員の人事行政状況調査」より
※2:文部科学省「令和3年度公立学校等における労働安全衛生管理体制等に関する調査について」より

受託内容

〇期間
2023年8月1日~2024年3月31日

〇業務内容
・産業医の確保
・産業医の管理指導、巡視日程の調整
・導入時の体制構築サポート
・衛生委員会について運営のアドバイス、議題の提供等の支援
・精神科医及び産業医10年以上の経験を有する医師への相談窓口を別途設置
・産業医の業務報告書の毎月の作成、提出
<産業医>
・労働安全衛生法、労働安全衛生規則に規定する職務及びこれに付随する職務の実施(健康指導及び健康相談、健康教育、衛生委員会への出席、職場巡視、学校保健スタッフへの指導及び助言、学校教職員のストレスチェックの結果に対する指導助言、長時間勤務による健康障害を防ぐための面接指導及び必要な措置に関して意見を述べること、復職支援相談 等)

〇産業医配置校(計17校)
・小学校:金城小学校、泊小学校、高良小学校、古蔵小学校、石嶺小学校、小禄南小学校、天久小学校
・中学校:安岡中学校、首里中学校、那覇中学校、寄宮中学校、古蔵中学校、小禄中学校、松島中学校、鏡原中学校、金城中学校、石嶺中学校

教育機関(学校)で求められる労働安全衛生管理体制

労働安全衛生法で定められる、学校における労働安全衛生管理体制は下記の内容となります。教職員50人以上の学校では、衛生管理者や産業医の選任が義務となり、未整備は法令違反となります。

①教職員50人以上の学校で選任・設置を要するもの
〇衛生管理者:衛生に係る技術的事項を管理する者
・少なくとも週1回学校を巡視し、設備、作業方法、衛生状態に有害のおそれがあるときは、直ちに教職員の健康障害を防止するため必要な措置を講ずる。

〇産業医:産業医学の専門家として教職員の健康管理等を行う者
・健康診断・面接指導の実施、作業環境の維持管理等の教職員の健康管理等を行う。
・教職員の健康確保のため必要があるときは、学校の設置者に対し、教職員の健康管理等について必要な勧告を行うことができる。
・少なくとも月1回学校を巡視し、作業方法、衛生状態に有害のおそれがあるときは、直ちに教職員の健康障害を防止するため必要な措置を講ずる。

〇衛生委員会:衛生に関する重要事項について調査審議する機関

②教職員10~49人の学校で選任を要するもの
〇衛生推進者:衛生に係る業務を担当する者
・衛生管理者の選任を要する学校以外の学校のうち、教職員10人以上の学校では、衛生推進者を選任し、衛生に係る業務を担当させなければならない。

※産業医の選任義務はないが、教職員の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識を有する医師や保健師に教職員の健康管理等の全部又は一部を行わせるように努めなければならない。

③学校における面接指導体制の整備

④ストレスチェックの実施

(文部科学省「学校における労働安全衛生管理体制の整備のために(第3版)」より)

教育機関(学校)における労働安全衛生管理体制の現状

文部科学省が発表する「令和3年度公立学校等における労働安全衛生管理体制等に関する調査について」によると、公立学校における産業医の全国平均選任率は93.1%に上るも、産業医の職場巡視実施率は60.2%と6割ほどの数値となります。同様に、衛生委員会の設置率(95.7%)と開催率(51.1%)にも乖離がみられ、形式的な対応にとどまっていることがうかがえます。また、都道府県別でみると、産業医の選任率が最も低い都道府県は沖縄県となり、68.8%と全国平均を大きく下回ります。

エムステージ 取締役産業保健事業部長 歌代敦のコメント

「働き方改革」が推し進められる近年において、教職員における働き方や、メンタルヘルスに関する問題をニュースで目にする機会は少なくありません。法令で義務付けられている産業医の選任率や、職場巡視・衛生委員会実施率などから、今後改善すべき教育委員会側の課題も多いと思われます。この度エムステージは、教職員の健康やメンタルヘルス対策の取り組みを強化する沖縄県那覇市より、産業医業務の受託業者に選任いただきました。「教職員の健康」における産業医の存在は大きく、また、付随するソリューションを提供することで改善できる点はたくさんあります。日本の未来を担う子供を育てる教育現場に、充実した産業保健体制を提供すべく、エムステージは全国の教育委員会への働きかけを進めてまいります。

エムステージの『産業保健トータルサポート』

『産業保健トータルサポート』では、医師紹介業20年のノウハウとネットワークによる産業医紹介・選任後の業務サポートをはじめ、ストレスチェック『Co-Labo』、産業保健師サービス、EAP外部相談窓口、メンタルヘルス・ハラスメント研修、専門家相談サービス等で、企業の健康経営を総合的に支援しています。

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