「女性医師の健康と働きやすさ」女性医師にアンケートを実施

医療人材総合サービスを提供し、『Dr.転職なび』『Dr.アルなび』を運営する株式会社エムステージ(東京都品川区、代表取締役:杉田雄二)は、女性医師の健康と職場環境について、女性医師115名にアンケート調査を実施しました。

【調査背景】
少子高齢化による日本の労働人口の減少に伴い、女性の社会進出は推し進められてきました。
平成27年には「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)」が成立するなど、国としても女性が働きやすい職場環境の基盤作りに力をいれています。
こうした流れのなか、健康を支える側である「女性医師」はどのように自身の健康を保ち、どのような職場環境で働いているのでしょうか。女性医師のリアルな声を調査しました。

<調査結果サマリー>

■女性医師の健康と意識について
・女性医師の健康への不安「体力の衰え」がトップに
 約7割の女性医師が自身の健康法やストレス解消法が「ある」と回答
・女性医師の健康法「運動」や「食」に関することが上位に
「仕事への支障」約9割の女性医師が「あってはならない」

■女性医師の働きやすさについて
・約6割の女性医師が不調の際に休みを取れる環境に「ない」
・「働きやすい」と感じる職場「短時間勤務やフレックス」など、勤務時間や体制に関することが多数
・あって助かった支援「当直免除」や「子供同伴出勤」

女性医師の健康と意識

1. 女性医師の健康への不安「体力の衰え」がトップに
 約7割の女性医師が自身の健康法やストレス解消法が「ある」と回答

現在、自身の健康に関して不安に感じていることとして、「体力の衰え」(68)が一番多く、次いで「運動不足」(67)、「精神的な疲れ」(46)、「睡眠不足」(32)、女性特有の「月経前症候群(PMS)」(16)、「不妊・妊活」(11)が続きます。
このような健康への不安に対し、日常で気を付けていることや、取り入れている健康法・ストレス解消法が「ある」という回答は約7割となり、多くの女性医師が独自の健康法・ストレス解消法を持つことがわかりました。

2. 女性医師の健康法「運動」や「食」に関することが上位に

自身の健康法やストレス解消法として、半数以上が「運動」や「食」に関することと回答。
また、具体的な内容としては、「とにかくよく歩く」など、歩くことを心掛けている回答が多くみられました。

※フリー回答

■「運動」に関すること
・ストレッチの動画を実践する(60代/一般内科/勤務医(診療所・クリニック))
 
・1万歩くらい歩く(50代/麻酔科/勤務医(一般病院))
・なるべく歩く(30代/内分泌科/勤務医(健診施設や老健など))
・とにかくよく歩く(50代/美容皮膚科/勤務医(診療所・クリニック))
 
・パーソナルジムに通い、二駅分歩く(20代/美容皮膚科/勤務医(非常勤のみ))
 
・土日のどちらかはランニング(30代/精神科/勤務医(非常勤のみ)9
 
・定期的にスキーやハイキングをしている(60代/心療内科/勤務医(診療所・クリニック))
 
・ヨガに通っている(30代/内分泌科/勤務医(非常勤のみ))
 
■「食」に関すること
・体に合うものを食べる、食べ過ぎない。(30代/放射線科/勤務医(診療所・クリニック))
 
・食事はバランスよく3食とる(40代/一般内科/勤務医(非常勤のみ))
 
・定期的にファスティングをする。(40代/美容皮膚科/開業医)
 
・なるべく自炊、食べる順番(炭水化物摂取は野菜・タンパク質摂取後)、空腹時に甘い物は摂らない。
 (50代/麻酔科/勤務医(非常勤のみ))
 
・野菜中心の食事にする(30代/精神科/勤務医(一般病院))
 
・毎朝レモン水(湯)を飲む。水分は2L/日以上摂取する。夕食はごく軽く。
(30代/美容皮膚科/勤務医(診療所・クリニック))
 
・白湯を飲んで体を冷やさないようにする。(30代/呼吸器内科/勤務医(一般病院))
 
■その他
・気分が荒んでいる時には少しお気に入りの香水をつけて楽しむ
(30代/美容皮膚科/勤務医(診療所・クリニック))
 
・玉ねぎのみじん切りをいつも以上に細かくする。(まな板にイライラをあたる?)
 (60代/健診・ドック/勤務医(非常勤のみ))

3. 「仕事への支障」約9割の女性医師が「あってはならない」

勤務先で不調に陥ってしまったとき、「自身の体調不良によって、仕事に支障をきたすなど影響があってはならない」と思う女性医師は約9割にも及び、多くが自身の体調不良による仕事への影響を「あってはならない」と感じていることがわかりました。

<女性医師の働きやすさ>

4. 約6割の女性医師が不調の際に休みを取れる環境に「ない」

勤務先で不調に陥ってしまった際に、休みを取れる環境や制度が「ある」と回答したのは38.3%、「ない」と回答したのは61.7%となり、約6割の女性医師は不調の際に休みを取れる環境にないことがわかりました。そのような環境下のなかで不調に陥った際の対処法は「薬を飲む」(43)、「隙間時間で休む」(38)、「我慢する」(37)となりました。

また、「ある」と回答した具体的な内容としては、「チーム医療のため、休みを交互に取るなどして対応しています。」(40代/一般内科/勤務医(非常勤のみ))、「コロナ感染による自宅療養や胃腸炎での自宅療養の際、代務医師を手配していただきました。」(40代/呼吸器内科/勤務医(健診施設や老健など))などの回答が見られました。

5. 「働きやすい」と感じる職場「短時間勤務やフレックス」など、勤務時間や体制に関することが多数

女性医師が「働きやすい」と感じる医療機関の特徴として、「短時間勤務やフレックス勤務ができる」(74)が一番多く、「複数主治医制を採用している」(70)、「週4日勤務など、勤務日数の相談ができる」(69)、「当直やオンコールが免除される」(63)、「長時間勤務、時間外労働がない」(60)が続きました。

6. あって助かった支援「当直免除」や「子供同伴出勤」

勤務先で「あって助かった支援」では、当直免除や、子供同伴の出勤などが見られました。反対に、「充実させてほしい支援」として、複数の医師で診療する体制や、融通の利く勤務体制などの回答が多くみられました。

■フリー回答
Q. ご勤務先において、実際に「こんな女性医師に対する支援があって助かった」というご経験やエピソードがあれば教えてください。

・当直免除はかなりありがたいです。(30代/一般内科/勤務医(大学病院))
 
・子供同伴で出勤できる(40代/産婦人科/勤務医(診療所・クリニック))
 
・相談窓口があり捌け口になった事は有り難かったです。(30代/耳鼻いんこう科/勤務医(非常勤のみ))
 
・上司の理解があった(40代/リハビリテーション科/勤務医(非常勤のみ))

Q. (ご勤務先に限らず)医療機関における女性医師に向けた支援について、「このような支援を整備・充実させて欲しい」などのご意見があれば、自由にお聞かせください。

・出産後の復帰時期について。子供は一人一人精神発達度合いが違う。
年齢で単純に判断されて「もう復帰可能でしょ?」「いま何してんの?」と言われるのが辛い。
 (50代/眼科/勤務医(非常勤のみ))
 
・前職の大学病院の時、院内保育がありましたが20時までを良いことに、その時間まで子供にご飯を食べ
させず、待たせて働くことがモデルになっていました。その後も、子どもを職場に連れてきてお菓子を食
べさせていたりする先輩がいました。院内保育も変なプレッシャーがかからないと良いと思います。
(30代/一般内科/勤務医(大学病院))
 
・体調不良の時に休めるよう、複数の医師で診療する体制が整っていたら嬉しいです。
 (30代/皮膚科/勤務医(非常勤のみ))
 
・融通のきく勤務体制、休みやすいように人員に余裕のある職場
(40代/産婦人科/勤務医(診療所・クリニック))

<求められる働く女性の健康推進>

少子高齢化による日本の労働人口の減少に伴い、女性の社会進出は推し進められてきました。経済産業省によると、健康経営を積極的に推進する企業においては、特に「女性特有の健康問題対策」に高い関心が寄せられており(※)様々な取り組みがおこなわれています。
私たちの健康を支える医療現場においても、女性のライフステージや女性特有の健康問題に対する理解や取り組みが求められているのでないでしょうか。

※参照:「健康経営における女性の健康の取り組みについて」
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/downloadfiles/josei-kenkou.pdf

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<アンケート調査概要> 
女性医師の健康・働きやすさに関するアンケート
調査日:2023年3月7日~3月14日
対象: Dr.転職なび・Dr.アルなびに登録する会員女性医師
調査方法:webアンケート
有効回答数:115
※引用・転載時には「株式会社エムステージ」と弊社クレジットを明記下さい。

株式会社エムステージについて
「すべては、持続可能な医療の未来をつくるために」をビジョンに、医療従事者のキャリア支援・医療機関向け採用支援と、事業場向け産業保健サービスを提供しています。

<会社概要>
商 号:株式会社エムステージ
代表者:代表取締役 杉田 雄二
設 立:2003 年 5 月
所在地:〒141-6005 東京都品川区大崎 2-1-1 ThinkPark Tower5 階
事業内容:医療人材総合サービス、事業場向け産業保健支援