企業の産業保健を支援する「産業医サポートサービス(https://sangyoui-navi.jp/)」を提供する株式会社エムステージ(以下、エムステージ)は、人事労務担当者向けセミナー「働き方改革と産業医の機能強化~企業に求められる、これからの産業保健~」(協賛:ティーペック株式会社)を12月4日(火)に開催致しました。現役産業医2名が講師を務めた本セミナーには、事業所の人事労務担当者103名の方にご来場いただきました。
2019年4月より、順次施行される働き方改革関連法。その重要な要素のひとつに産業医・産業保健の機能強化を定める改正労働安全衛生法があります。しかし、今回の働き方改革関連法では、時間外労働の上限規制や勤務間インターバル制度ばかりが注目を集め、産業医・産業保健の機能強化について理解している事業所は多くはありません。さらに、事業所の中には、産業医が法律に定められた頻度の職場巡視をしていない(図1)、高ストレス者や長時間労働者への面接指導を行っていないなど、産業医が実働していないことも多いのが現状です。さらには、法律の義務があるにも関わらず産業医の選任もできていない事業所も存在(図2)します。
そこで、株式会社エムステージはティーペック株式会社協賛の元、事業所の人事労務担当者向けに、産業医の機能強化にまつわる法令の意義や対応方法、産業医との関係構築方法、そして具体的事例が学べるセミナーを開催致しました。
前半の講師として登壇いただいた浜口先生からは、2019年4月に施行される改正労働安全衛生法を中心に、法改正の要点とその目的について解説がありました。産業医の権限強化は 2015年のストレスチェック制度からすでに始まっており、2017年の改正労働安全衛生規則、2019年の改正労働安全衛生法へと続きます。なぜ産業医の権限が強化されていく必要があるのか、人事労務担当者はどのように対応すべきなのかが、産業医の視点から具体的に語られました。
これからの産業保健、健康経営には「プロフェッショナルな産業医」が必要。産業医自身も「職務提供型」から「課題解決型」への転換が求められます。事業所側も「法律で定められた通りに選任しました」という姿勢だけではこれからの産業保健には通じず、「こういった課題を抱えているから産業医にきてほしい」など、事業所固有の産業医を選任する意味、やってもらいたいことを産業医に伝えることが必要だと指摘しました。
後半の山越先生の講演では、自身が産業医を担っている事業所で起きた事例を3件取り上げ、産業医と人事労務担当者、労働者との関わり方を解説しました。産業医との信頼関係を構築し、産業医と人事労務担当者はチームとして連携して産業保健を進めましょうとメッセージを送りました。
最後の質疑応答では、ご来場者様から産業医のお二人へ多くの質問があり、セミナーは盛況のうちに幕を閉じました。労働人口の減少、求められる生産性向上、産業保健の重要度の高まり、そしてそれらを背景にした法律の改正。産業医の選任も「名ばかり」のままではいられません。事業所は変革を求められていると言えるでしょう。
浜口 伝博(はまぐち つたひろ)
医師/医学博士/日本産業衛生学会指導医/社会医学系指導医/労働衛生コンサルタント/日本医師会認定産業医
産業医科大学医学部卒業。病院勤務後、(株)東芝(1986~1995)および日本IBM(株)(1996~2005)にて専属産業医として勤務。その後、産業医として独立し、大手有名企業の統括産業医等を担当している。日本産業衛生学会産業医プロフェッショナルコース委員長を長年勤め国内産業医の教育研修に取り組んでいる。産業医科大学産業衛生教授を務め、慶應義塾大学医学部、順天堂大学医学部、東海大学医学部にて教鞭をとっている。
山越 志保(やまこし しほ)
医師/医学博士/日本産業衛生学会専攻医/社会医学系専門医/労働衛生コンサルタント/日本医師会認定産業医
福島県立医科大学卒業。都内の病院で内科医として勤務しながら、日本医師会認定産業医・労働衛生コンサルタントを取得し、産業医としての業務を開始。これまで多岐にわたる企業で、産業医業務を担ってきた。現在は、株式会社さくら事務所を設立し、臨床と産業医活動を行っている。
働き方改革と産業医の機能強化 ~企業に求められる、これからの産業保健~
日時:2018年12月4日(火) 15:00~17:30(受付14:30~)
会場:Learning Square 新橋(東京都港区新橋4-21-3 新橋東急ビル4F)
費用:無料
長時間労働や過労自殺が社会問題となっている中で、健康に働く職場づくりに産業医の存在は欠かせません。しかし、従業員50人以上の事業所に選任義務がある嘱託産業医は、職場巡視ができていない、高ストレス者や長時間労働者への面接指導を行っていないなど、実働していないことも多いのが現状です。この課題を解決し、企業の健康経営に寄与し、国の医療費の削減にも貢献できるようサービスをスタートさせました。
企業と産業医をマッチングさせる紹介事業を軸に、嘱託産業医の業務管理システム「M Connect」、休職者の復職までの対応の仕組みづくりをサポートする「休職・復職サポートサービス」を企業へ提供しています。
【M Connect】
企業の各担当者・産業医・当社間で産業保健の業務管理を行うシステム。産業医の訪問日程・業務内容の共有や報告書の授受、健診結果の管理、二次健診者の進捗管理、機密情報をアクセス者限定で保管するといった機能があります。
【休職・復職サポートサービス】
メンタルヘルス不調に罹患した従業員が安心して療養でき、人事担当者・産業医と主治医が対応で迷わない体制づくりを支援する「メンタルヘルス休職・復職対応マニュアル」の提供と導入サポートをはじめ、企業の制度・状況に応じたカスタマイズも実施。ただ企業へ産業医を紹介して終わりではなく、継続して意味ある産業保健活動ができるよう、オンライン・オフライン双方でサポートしています。
「健康と医療に関する問題解決」を通じて、人々の幸せとよりよい社会づくりに貢献することをミッションに、EAPやセカンドオピニオン、医療機関検索サイト等の様々な健康支援サービスを提供しています。
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株式会社エムステージ 広報:関矢 瑞季(せきや みずき)
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